暮らしの基を支える調査士

専門家という話

土地家屋調査士である私は、先日電話で「境界の紛争があるので、次の日曜日に現地を調査して欲しい」という依頼を受け、約束の時間に現地に赴きました。

階段状に造成された土地の上側に住む年輩の女性の方が依頼人で、某県の中学校の教師をしているため、都合のよいのは土曜日と日曜日のみとのことでした。

さて、紛争の原因ですが、依頼人の下側の隣接者が宅地の擁壁の基礎の部分を削って車庫を造り始めたというのです。

そこで、隣接者に対し越境していると申し入れたのですが聞き入れてくれないので、警察署へ行って話をしたところ、2人のお巡さんが来て傾斜している石垣に板を添わせて延長し、「ああだこうだ」と言って半日くらい粘っていましたが結局は結論が出ないまま帰ったそうです。

そこで今度は、市役所の市民相談室に行って理由を話したところ、「警察で駄目なら弁護士に相談されるのが一番よいのではないですか」と言われ、仕方がないので友達やら知人に相談している内に2か月も過ぎてしまったそうです。その間に工事は進行するやら、学校は休まなくてはならないやらで、イライラしながらやっと弁護士事務所を探して相談したところ、「土地家屋調査士さんに境界を調査してもらいなさい」と言われ、職業別電話帳を調べて、私に依頼されたということでした。

ではということで、前もって登記所で調べておいた地積測量図により現地に残っている境界標を基準に、問題となっている境界点を復元して、その場で双方に立会いを求めたところ、双方共に納得されて、一件落着となりました。

考えてみますと、初めから土地家屋調査士事務所を訪ねて、相談や依頼をいただいていれば、こんなに長い間、いやな思いをせずにすんだはずです。

境界については土地家屋調査士が専門家と言われているゆえんです。

知識くん
『餅は餅屋、境界標は調査士』

境界標設置は調査士の仕事

「土地家屋調査士」は、不動産に関する国民の権利を現地において明確にするために、依頼を受けて不動産の表示に関する登記に必要な土地又は建物の調査・測量をして、登記所へ申請手続をする仕事をしています。

現在、全国には、約18,700の調査士事務所があり、それぞれの地域において活動しています。

仕事をするに当たっては、法律的判断と高度な技術を必要とし、常に厳正中立な立場から公正で適正な仕事をしています。

特に境界を確認するときは、可能な限り関係する資料を収集し、現地の状況(物証)関係人の意見(人証)、地図や協議書等(書証)を参考に信念をもってアドバイスをしておりますので、決して声の大きい人、又は主張の強い人に押されるようなことはありません。

それは、常に公正な立場を堅持し、多くの経験を生かしながら専門知識を駆使して、国民の付託と信頼に応えることを使命にしているからです。

境界標の設置数は、全国で活躍している調査士の手によって毎日数万本に及ぶはずです。

若し、境界標について、設置を検討している場合や心配なことがある場合なども、気軽に土地家屋調査士事務所へ相談して下さい。

22-1
『公正、公平は調査士の信条』

暮しの基を支える調査士

日常生活を快適に過ごすためには、様々な生活環境が整っていなければなりません。中でも、隣との楽しい付き合いは最も大切な条件と言えましょう。

ところで隣人との付き合いが、境界のトラブルがもとで仲違いしていることも世間にはたくさんあります。場合によっては刃傷沙汰も珍しくありません。これを国の場合に置き換えますと、国境ですから戦争になることもあります。

土地は、国民生活の基盤であって、宅地造成、道路や橋を構築する公共事業の場合も総て、境界を確認することから始まります。

美しい建物や橋は目に見えますが、それを支える境界標は縁の下の力持ちのような役割を果たしています。

登記制度においても、現地の境界標を確認の上、地積測量図に記載する等して、作成され反映されたものが保管されているのです。

私達土地家屋調査士の仕事は、総ての原点をなす境界標設置から始まります。

境界紛争や境界のトラブルの事前防止、取引の安全、公共事業の促進、土地、建物の財産の保全等、普段気付かないところですが、土地家屋調査士は暮らしの基本である地域の平穏な生活の維持に大いに貢献していくのが私達の仕事です。

土地や建物又は境界に関して分からないことがありましたら、お近くの土地家屋調査士事務所へ気軽に御相談下さい。

『境界標設置と自己管理』

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