境界の設置

あなたの土地に境界標はありますか。

私たちと不動産との出会いは様々です。それまで人伝に聞いていた売買、贈与、相続、建替え等が自分の身の上に起ったとき、登記や税金について自分で調べたり役所へ出向いたり専門家の方へアドバイスを求めたり、忙しく動き回られる方も多いようです。

では、念願かなって不動産を手にした私たちは、その後の管理についてはどうでしょうか。権利証があるから大丈夫、図面があるから、登記をしているから安心と思い込みがちではないでしょうか。確かにこれらはとても重要な事柄なのですが、ここでは、もう少し踏込んで、土地の境界管理について考えてみました。

それというのも土地境界をめぐるトラブルは少なくないからです。

境界の管理は、境界標の設置についての知識がとても大切になります。あなたご自身や隣近所の建替えの際など、土地や建物をかえりみる機会はあるものですが、ご自身の定期的な健康診断と同じように土地や建物の状態についても普段から心がけたいものです。まずは自分の土地に境界標が確実に設置されているかどうか、一歩外に出て見られることをお進めします。

 

境界標設置の重要性を知っていただくために

平和な社会とは、紛争のない社会ではないでしょうか。

戦後日本は、平和と豊かさを求めて努力してきました。特に経済活動では、世界に類を見ない成長をとげ、世界一豊かだといわれています。

一方日本は、領土が狭いこともあって、先進国に比較して居住環境が劣るといわれ、生活の質を高めるために、住環境の整備が問われています。

現状における土地と建物は、狭くて高額であることから、所有者の権利意識は非常に高くなっています。更に近隣との関係が密集することにより、トラブルも避けることができません。
そのために日影又は騒音等によるいさかいや、境界紛争も増えています。

境界紛争のほとんどの原因は、境界不明です。つまり、所有者が、大切な財産を守る境界標を設置していなかったか、または、設置した境界標を自己管理していなかったことが原因です。

不動産は国民の財産でありますから権利を保全するために、所有権又は利用権について法律上の規定や制約があります。

自分の財産は、自分で管理するのが大原則です。ここでは、境界標の設置の重要性と境界標を自己管理する意義を知っていただくとともに、境界標を設置するための参考事項を詳しく説明してあります。

土地家屋調査士が平穏な相隣関係の継続と財産の保全のために役立ち、安心で心豊かな生活を営んでいただくことに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

土地管理の3本柱

土地管理の3本柱 ◆境界標の設置
土地を取得した場合、自分が利用できる権利の範囲を明確にしておく必要があります。登記がしてあっても、現地に境界標がなければ、その範囲が他人には分らずトラブルのもとになります。自分の土地に境界標が設置されているかどうかもう一度確認しておきましょう。
◆地積測量図の作製
境界標の位置関係を明確にするために、土地家屋調査士が作製した「地積測量図を保存しておきましょう。 長い間には、境界標が何かの障害により移動したり、亡失して不明になることがあります。そのとき地積測量図があれば土地家屋調査士に依頼して境界標を元の位置に復元することができます。
◆登 記 簿
境界標があって地積測量図が手元にあっても、それだけでも十分と言えません。第三者から、真実の所有者は誰なのか、所有権以外の登記の有無等、外部から認識できる登記が必要です。 民法では、登記をしておかなければ第三者に対抗できないことになっています。結論としては、境界標及び地積測量図並びに登記の三条件が揃っていれば完璧といえます。

 

境界標設置の7つの効用

(1)境界紛争がなくなります。
境界が現地において明確になっていれば、境界紛争は起こらないはずです。


(2)財産の侵害防止になります。 

境界標が現地に設置され客観的に認識できれば、土地の侵害は未然に防げます。


(3)土地の管理を所有者自身によってできます。 
自分の財産は、「自己管理」が原則ですから境界標を設置しておけば、家族のだれでもが管理することが可能です。


(4)費用負担の軽減になります。 
コンクリート杭や石杭のような永続性のある境界標は、木の杭より一時的には若干費用が高くなりますが、
将来腐蝕して亡失した場合に復元する場合のあることを考えれば、木杭に比べて、はるかに低廉となります。


(5)取引や相続が迅速に行えます。 
若し何等かの事情で、譲渡又は相続等が発生し土地を分割する場合に、境界標が設置されていれば、
分割に要する費用は結果的に低廉で、かつ迅速に処理ができます。


(6)法第14条地図作製の布石となります。 

日本の地図づくりは、諸外国に比べて遅れています。遅かれ早かれ、いつかは法務局において体系的な
地図を作製します。そのときに境界標は不可欠です。つまり、現在境界標を設置することは、将来の
地図作製の準備と考えても間違いありません。


(7)不動産登記制度の充実になります。

 登記簿と現況を合致させることは、登記制度の根幹です。境界標設置は不動産登記制度の原点といえます。

ページの上部へ