不動産の登記と管理について

登記と国民のかかわり

私達の住んでいる地域社会、日本の経済社会、行政等の国家機関が円滑に機能しているのは、法治国家として当然と思っているかもしれません。それは個人、集団、企業、行政機関などが憲法を頂点としてさまざまな法律や慣習によって、日常生活、商取引、金融取引等の秩序が維持されているからです。

さて、不動産の取引やこれを利用する場合においても、法律(民法、不動産登記法、区分所有法、借地、借家法、等)や習慣によって、この権利関係についての秩序が維持されています。

ところで、あなたが自分の不動産を自分のものであると他人に主張できるのは、どうしてでしょうか。それは、一言で言うと「登記」をしているからです。

以下、登記に関することを中心に「登記行政」と切っても切れない土地家屋調査士の仕事について説明します。

豆 知 識

不動産の登記には次の2つがあります。

① 表示に関する登記
次の事項を登記します。
* 土地…所在、地番、地目(土地が何に使われているか)、地積(面積)等(不動産登記法第78条)
* 建物…所在、家屋番号、種類、構造、床面積など(不動産登記法第91条)

② 権利に関する登記
所有権、賃借権、抵当権、質権等の設定、保存、移転等(不動産登記法第1条)

 

登記制度とは

不動産登記制度は、国民の重要な財産である不動産(土地や建物)の状況と権利関係を登記簿をもって正確に公示して不動産取引の安全を図ることを目的としています。

この登記簿に必要事項を掲載することを登記といい、登記簿を備え登記事務を行う役所のことを登記所(法務局)といいます。

登記は物件変動の対抗要件(当事者間で生じた権利関係を第三者に対して主張しうるための法律要件)を備えていますけれども、公信力(公信の原則参照)は認められていません。

豆 知 識

〔公信の原則〕

実際には、権利関係が存在しないのにかかわらず、外見上権利関係が存在するように思われる事実がある場合、この外形を信頼して取引する者を保護し、真実に権利関係が存在したと同様の法律効果を認めようとする原則。

〔登記の対抗力〕

我が国の民法では動産の占有には公信力を認めていますが(民法第192条)、不動産登記については公信力を与えていません。

所有権の移転や抵当権の設定などの物権変動は当事者の意思表示だけで効力が生じますが、これを当事者以外の第三者に対抗するためには登記をしなければならない。逆にいえば、登記をすれば自分が取得した権利を第三者に主張することができるとされています。この登記の効力を対抗力といいます。(民法第177条) 

 

調査士と登記

土地家屋調査士は、年1回行われる国家試験に合格しますと、日本土地家屋調査士会連合会に資格の登録をすると同時に各土地家屋調査士会に入会して、土地家屋調査士事務所を開業して業務を行っています。現在全国に18700余名の土地家屋調査士が皆様の地域で活躍しています。

しかし、申請手続きに当たっては、法律的判断と専門的な技術を必要としますので、通常素人では的確な手続きを行うことが難しいため、所有者に代わって、建物の新築登記や土地の分筆登記など、不動産の表示に関する登記に必要な調査・測量・申請手続等を業務とする土地家屋調査士の制度を設けたのです。

豆 知 識
土地家屋調査士法

(目 的)
第1条
この法律は土地家屋調査士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に資し、 もって不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することを目的とする。

(職 責)
第2条 

土地家屋調査士(以下「調査士」という。)は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

(業務)
第3条
調査士は、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。

1.不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量
2.不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続についての代理
3.不動産の表示に関する登記の申請手続又はこれに関する審査請求の手続について法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第5号において同じ。)の作成
4.筆界特定の手続(不動産登記法(平成16年法律第123号)第6章第2節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。次号において同じ。)についての代理
5.筆界特定の手続について法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録の作成
6.前各号に掲げる事務についての相談
7.土地の筆界(不動産登記法第123条第1号に規定する筆界をいう。第25条第2項において同じ。)が現地において明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る民間紛争解決手続(民間事業者が、紛争の当事者が和解をすることができる民事上の紛争について、紛争の当事者双方からの依頼を受け、当該紛争の当事者との間の契約に基づき、和解の仲介を行う裁判外紛争解決手続(訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続をいう。)をいう。)であつて当該紛争の解決の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として法務大臣が指定するものが行うものについての代理
8.前号に掲げる事務についての相談

知識くん

ページの上部へ